- 作家コメント
-
決して忘れてはいけない原爆の被災。
二人(南くんと重高さん)の視点から、「あの日」「あの時」のことを読者の皆さんに伝えていきたいと思います。
よろしくお願いします。
- 三門ジャクソン
- 名古屋市出身&在住。第284回スピリッツ賞奨励賞受賞。 2015年『Turning!』で読切デビュー。今作が初連載。
- 編集部コメント
-
戦後35年の1980年に綴られた『慟哭~この思い風化させまじ~』という手記があります。その手記の中で、かつて息子を原爆で失った母親はこう語っています。
――(被曝遺族の体験談を)語ろうとすればオロオロと、いつも胸がいっぱいになり、心はますます閉ざされて、「忘れてしまったのか」と非難もされた。
(中略)
毎年その日(八月六日)は、私は誰もいないところを求めて思い切り泣くことにしている。その八月六日が何度もめぐり、そうして去って、「この悲しみがわかるものか」とかたくなな三十余年が過ぎた。
(中略)
人生の終着駅近くなったことを痛感し、黙し続けてきたことにたまらない焦燥感を覚えるようになった。いま残しておかなければ、この戦争の残酷さ、非情さを知らぬ人ばかりになると、はじめてペンを取る決心をしたのである。
この手記がきっかけで『スカイフォール~消し去れぬ夏の光~』は生まれました。