• お知らせ
    次回発表日は2021/7/31です。
  • 2021年7月18日締切回 結果発表


    努力賞
    『パパラッチ×パパラッチ』
    藤源治  27歳 神奈川県

    3回目となる週イチ漫画賞、今回は努力賞受賞作品1本を出すことができました。「やわらかスピリッツ」独立後、記念すべき1本目の新人賞受賞作品です!
    受賞作「パパラッチ×パパラッチ」は「読者の目を意識して知恵を絞る」という作者の姿勢がはっきりと伝わってくる快作でした。不必要な変形コマを使わず、視線誘導がしっかりとなされたコマ割り。ページごと、見開きごとに明らかに計算して配置されている大ゴマ。カメラワークを意識して適切に使用されているロング・セミロングのショット。発言者のすぐ脇に配置され、誰の発言か一目瞭然に理解できるフキダシ。めくり・めくらせを意識したグイグイ先に読み進ませる構成。読んでいて引っかかる箇所はほとんどなく、軽快なリズムも相まって楽しく最後まで読み進めることができました。キメの絵の構図が映像的に工夫されていて「ここは絵で読者を楽しませるぞ!」という作者の意図が明確に感じられるのも好印象。
    とはいえ、プロとして活動するには多くの課題も残っています。
    最大の欠点は「絵の拙さ」。特に背景は明らかに我流で、緻密さ、密度共に掲載水準に達するには相当の努力が必要です。「どのくらいのクオリティーで描けばプロの舞台で戦っていけるのか」、自分の中で適切なハードルを設定するところから始めましょう。
    キャラクターに関しても、非常に表情豊かで仕事で読んでいる分には楽しい気分になれるのですが、「商品」として読者からお金を取ろうとするにはまだまだ画力が足りていません。漠然と絵を描くのではなく、自分がどのような絵柄を作ろうとしているのか、意識して練習してみてはいかがでしょうか。
    3度目の締め切りにて、ようやく受賞作を出すことができ、スタッフ一同安堵しております。我々は、どのような作品でも、締め切りから1週間で必ず審査して結果を発表いたします。より一層力の入った「他人を楽しませるため」に描かれた作品の投稿をお待ちしております。

    やわらかスピリッツ編集部



    2021年7月11日締切回 結果発表

    残念ながら、第2回締切分も受賞作なしという結果になりました。
    やはり8月の新連載が始まらないと応募も増えないのかな、と思いますので前回に引き続き「目を鍛える」ことについてお話したいと思います。

    モノクロの漫画表現において、ゴワゴワのデニムの生地と柔らかいジャージの生地を説明文抜きで描き分けることは可能でしょうか? アスファルトの道路と土の田舎道では? ガラス窓の光沢と凪いだ水面の光沢では?

    投稿者の皆さんの中には、そのような細かい違いを描き分ける方法が全く分からない、という人も多いのではないかと思います。諦めてしまうか、あるいはペンのタッチやトーンの表現でどうにか違いを出そうと自己流の試行錯誤を繰り返す人もいるかもしれません。

    ですが、非常に簡単にこれらの問題を解決する方法があります。「他人の漫画を観察して、真似をすること」です。デニム生地をそれらしく描く方法が分からなければ、まず、デニム生地をそれらしく描いているプロの作品を探して、どのような技法をどのくらいの緻密さで使えばそれらしく見えるものなのか、観察して、真似をすればいいのです。アスファルトと土の描き分け方が分からなければ、そのような表現をしている作品を探して観察することから始めましょう。

    表現の技法を真似することは、パクリでもなんでもありません。長い漫画表現の歴史の中で、布地を、道路を、光沢を描き分けるための様々な表現方法が編み出されてきました。それらをすべて無視して、いわゆる「車輪の再発明」を目指すのは非常に効率の悪い事ですし、たいていの場合、商業出版で通用するクオリティーに至りません。先達の編み出した技法は積極的に真似するべきです。

    もちろん、必要に迫られてから他人の作品を探し始めるのは大変です。普段、他人の作品を鑑賞する際に「どのような表現技法が使われているのか」「どのくらい緻密に描いてあったらプロで通用する品質になるのか」分析する癖をつけましょう。

    一部の絵画教室などではこうした過程を指して「目を鍛える」という表現をする先生がいらっしゃるようです。的確な表現であると感じます。

    やわらかスピリッツ編集部


    2021年7月4日締切回 結果発表

    「週イチ漫画賞」記念すべき第1回は、多数の応募をいただきましたが、残念ながら受賞作なしという結果に終わりました。
    ごくごく基本的な事ですが、投稿者の皆さんには「目を鍛えること」に真摯に取り組んでいただきたいと思います。「目を鍛える」というのは「他人の作品を観察する練習をする」という事です。
    一番わかりやすいのは絵に関する観察です。掲載レベルの作品、あるいはヒットしている作品を、いち読者ではなく作り手の視点からしっかりと観察し、「どのくらいの絵のクオリティーなら商業作品として原稿料を取れるのか」「自分の画力は目の前の観察対象と比べて何が足りず、追いつくにはどのくらい距離があるのか」しっかりと自覚しましょう。
    物語に関しても同じことが言えます。こちらは、本屋さんの店頭や電子書店さんのサイトトップをしっかりと観察しましょう。「いま市場ではどのようなタイプの作品が読者に求められているのか」「自分が目指したいジャンルでヒットしている先行作品にはどのようなものがあるのか」意識しさえすれば、様々な気付きが得られるはずです。
    己の実力をプロの作品と比較することは非常に恐ろしい事です。心が折れてしまうこともあるかもしれません。ですが、プロとして原稿料と印税で生活することを目指すのであれば、やみくもに手を動かす前にまず「努力の方向・種類」を厳選し、自分がたどり着きたいゴールを設定することは絶対に必要です。広大な漫画業界の中で、あなたが目指す絵柄はどのようなもので、目指すプロ作家としての立ち位置はどのようなものなのでしょうか?
    今回の投稿作には、絵に関しても、ストーリーやジャンルに関しても、「特定の方向・ゴールを目指したものの、力が足りなかった」というタイプの作品はほとんどありませんでした。皆さん一生懸命取り組んでいらっしゃるものの、そもそもプロ作家としてどのような完成形を目指しているのか、方向性が見えない作品が大半でした。
    厳しいことを言うようですが、方向性を定めない努力は絶対に実を結びません。「他人の作品を観察する」「市場の動向を観察する」癖をつけたうえで、たどり着きたいゴールのイメージを設定し(これは臨機応変に変わってかまいません)、そのうえで方向性を定めた努力をしてみましょう。
    もちろん、投稿作の時点で完成形である必要はありません。いまは未熟でも「こういう完成形を目指している」という方向性が感じられる作品を、我々は評価したいと思っています。
    皆さんの投稿を引き続きお待ちしております。

    やわらかスピリッツ編集部

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